夏になり、夏風邪が流行り始めてきました。お子さん同士や家族間での感染も心配ですよね。
今回は子供の間で流行る代表的な夏風邪とその予防方法について解説していきたいと思います。
○夏風邪とは?
一般的には夏に引く風邪のことを言います。
風邪と言えば寒くて乾燥した冬に流行る、というイメージが強いですよね。夏風邪を引き起こすウイルス達は高温多湿な環境を好みます。その結果夏にウイルスが活発になり、夏風邪として流行してしまうのです。風邪を引き起こすウイルスは沢山ありますが、夏風邪の原因になりやすいウイルスはアデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなどです。
夏風邪の症状は一般的な風邪症状(喉の痛み、頭痛、発熱、鼻水)や腹痛や下痢などです。ウイルスによって少し症状の出方が異なります。次の項目ではウイルス別の特有の症状や疾患について解説していきますね。
○ウイルス別の特徴
・アデノウイルス
喉の腫れ・痛み、頭痛、高熱、咳、結膜炎、大腸炎などを引き起こします。
咽頭結膜熱(プール熱)はアデノウイルスが原因で引き起こされます。6月から8月が流行のピークです。重症化しやすいことや1年を通して感染するので注意が必要です。潜伏期間は2~14日。高熱が1週間前後続き、結膜炎(目の充血)、頭痛、食思不振を呈します。
感染した場合の対策ですが、普通のアルコール消毒では効果がないため、「酸性アルコール消毒剤」か「次亜塩素酸ナトリウム」を使用しましょう。
・エンテロウイルス
腸管ウイルスとも呼ばれる。発熱や喉の痛み、鼻水などに加えて下痢、腹痛、口内炎を引き起こします。
手足口病は7月に感染のピークを迎えます。手足口病はエンテロウイルスに加えてコクサッキーウイルスでも発症し、複数の種類があります。そのため何度もかかる可能性があります。5歳未満の小児によく流行しますが、大人もかかることがあるのて注意しましょう。
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ヘルパンギーナもエンテロウイルスが原因で発症します。6月から8月にかけて流行します。乳幼児の間で流行します。ヘルパンギーナもウイルスの型がいくつかあるため、複数回感染してしまうこともあります。症状は喉の強い痛み、喉の発疹・水疱。喉の痛みが強いために飲食を受け付けず、脱水症状を引き起こすこともあるため注意が必要です。
ヘルパンギーナは回復後も呼吸器から1~2週間ほど、便から2~4週間ウイルスが排出され続けます。そのため感染対策が必要です。
エンテロウイルスもアデノウイルスと同じく普通のアルコール消毒では効果がないので、「酸性アルコール消毒剤」か「次亜塩素酸ナトリウム」を使用します。
・コクサッキーウイルス
エンテロウイルスの仲間で、ヘルパンギーナの原因となるウイルス。こちらも消毒に関してはアデノウイルスなどと同じ方法です。
❍夏風邪にかかってしまったら
次に夏風邪にかかってしまったときの対応や治療法、登園・登校の目安について解説していきます。
・ヘルパンギーナ、手足口病にかかってしまったとき
ヘルパンギーナや手足口病に対する治療薬はありません。そのため口内炎や高熱に対しては解熱鎮痛剤を処方するなどして様子を見ます。前述したように喉の痛みが強いので刺激の少ない飲み物(麦茶など)を摂取し、脱水予防をしましょう。
ヘルパンギーナは飛沫感染(咳、くしゃみ)、接触感染(ウイルスがついたドアノブに触れる)が主な感染経路です。そのためドアノブなどを消毒したり、マスク着用を徹底しましょう。手洗いや手指の消毒も忘れてはいけません。またヘルパンギーナは便からも4週間前後ウイルスが排出され続けるので、おむつ交換やトイレ掃除をする場合は使い捨て手袋の使用もすると良いでしょう。
登園の基準としては発熱や口腔内の水疱が落ち着き、普段の食事が取れること。また熱が下がってから1日以上経過していることです。
❍咽頭結膜熱(プール熱)にかかってしまった時
アデノウイルスに対する治療薬はありません。そのため喉の痛みには鎮痛剤やうがい薬、結膜炎には抗菌薬やステロイド点眼により症状の改善を試みます。また喉の痛みによる脱水を防ぐために刺激のない飲み物を接種します。
登園基準は発熱や結膜炎などの症状が消失してかから2日経ってから登園しましょう。
❍夏風邪にかかってしまった!家庭内感染を防ぐには
夏風邪は感染力も強いので、子供からもらってしまったパパママさんも多いのではないのでしょうか。実際に私も子供から風邪をもらってしまい、結果的に旦那やその他の家族にまで移ってしまいました。理解ができてマスクや手洗いの習慣がついていれば多少は感染リスクは下げられますが、小さなお子さんは難しいですよね。そこで家庭内でできる感染対策の具体的な方法についてご紹介していきたいと思います。
①手洗い・うがいの徹底
感染予防の基本である手洗い・うがいは徹底しましょう。手を拭く際にタオルではなくペーパータオルを使用しましょう。タオルついたウイルスに触れると感染してしまいますのでできるだけ控えた方が無難です。
②酸性アルコール消毒剤(手指消毒用)を用意しましょう
前述しましたが、夏風邪に従来の一般的なアルコール消毒剤は効果がありません。そこで酸性アルコール消毒剤を用意しましょう。次亜塩素酸ナトリウムも夏風邪のウイルスには効果を示しますが、手指には使用できません。
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③次亜塩素酸ナトリウム消毒剤を用いてドアノブなどは消毒する
ドアノブやトイレ、家族の多く集まる場所は次亜塩素酸ナトリウムで消毒をします。そうすることで接触感染のリスクを減らすことができます。
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④おむつ交換や嘔吐処理などは使い捨て手袋を装着して行いましょう
嘔吐や便などからもウイルスは排出されるため、手袋を使用して行いましょう。
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❍最後に
夏休みに入り、外出する機会も増えてきましtが、それと共に夏風邪も流行しています。感染しないのが一番ですが、もしかかってしまった時は適切な感染対策を行い、家庭内感染を防ぎましょう。この記事の内容が皆さんの参考になると嬉しいです。